R.I.P.

嘆きに満ちた、しずかな夜です。

静まり返ったタイムラインが、失ったものの大きさを伝えてくるようで、胸が詰まります。

 

半年前、SEVENTEENのMVをはじめて観て、その一糸乱れぬパフォーマンスに圧倒されました。13人もの人間が、こんなにぴったり合わせて踊れるものなんだ。

いったいどれだけ練習してるんだろう。

なによりも、その目に見えない努力に心を打たれました。

それから知った韓国のアイドルたちは、みんなきれいで、かっこよくて、いつも笑顔でじゃれあって、かわいくて、やさしくて。もっともっと知りたいと、夢中で彼らを追いかけました。

私は彼らのがんばっている姿が好きだけど、知れば知るほど、心配にもなりました。

早朝から深夜まで詰め込まれたスケジュール、移動中もつねにファンやマスコミの目にさらされ、わずかなプライベートも練習に費やして。

いくら好きなことを仕事にしているといっても、こんなにがむしゃらにやっていては身も心もすり減ってしまいそう。

 

みんなに愛されるというのは、ときとして、とても孤独なことなのかもしれません。

人の心のなかなんて誰にもわからなくて、みんな勝手に愛したり憎んだりしている。

ファンとアイドルはそれでいいんだって、勝手に励まされて、明日もがんばろうと思えればいんだって思ってても、こうして事実を突きつけられると、自分たちがあまりに無力に思えてせつなくなる。

 

韓国のアイドルって、みんな「もっといい姿」を見せたいって、努力しつづける自分になりますって、いってくれますよね。

はじめてその言葉を聞いたとき、なんて謙虚なんだろうって感動しました。

いまはただ、そのままのあなたがいてくれるだけで、じゅうぶんなんだよっていいたい。べつの何かになる必要なんてないよ、ありのままでかまわない。

求められるがまま走り続けた先にあったは、自分の姿かたちすら見失ってしまうほどの暗闇だったなんて、あまりに悲しい。

つらかったら、ぜんぶ投げ出してもいいんだ。楽していいんだ。

でも、彼自身がそれをゆるせなかったんだろう。だからこそ苦しんだんだろう。

 

この苦悩は、けして彼のものだけでなく、どんなアイドルも抱えているように思えてなりません。

願わくは、彼の心の旅路がおだやかで、光に満ちたものでありますように。

そして、もうこんな悲しい別れが訪れないように、心から祈ります。